※お一人様あたり1本まで販売いたします。
※キャップの蝋は傷に弱く、割れやすいです。流通に際し最大限注意を払って梱包いたしますが、一部欠けてしまったり、傷がついてしまう事もあります。恐れ入りますが、多少の欠けや傷はご容赦くださいませ。
【Legend of Cuban Rum】
ラベルには「Pre-1962(1962年以前)」とありますが、実際には1940~50年代に蒸留され、バルデスピノ社において、ボトリング直前までソレラ・システムで熟成されていた超希少ラム。
◆Point!!◆
■革命以前のキューバで造られた原酒を使用。
■ソレラ・システムで熟成。
【ソレラ・システムとこのお酒の関係】
ソレラ・システムを極めて単純に説明するならば、原酒を出荷した分だけ新しいお酒をつぎ足しすることで、熟成古酒を安定して供給する方法です。レジェンドオブキューバンラムは2樽だけしか原酒が存在しない超希少な古酒であるにもかかわらず、日本国内で10年余にわたり販売されて続けている理由は、このソレラ・システムにあります。
◆ましだやコメント
これほど熟成年数の長いラムが一般市場に現れることはほぼ無いでしょう。ヴィンテージはありませんが、とても古い、偉大なる古酒です。数奇な運命から世に出回ることとなった、まさに伝説のラム。なかなか手に入らない出物です。このチャンスに一本、手元に確保してみては?
・内容量…700ml
・アルコール度数…45%
【輸入元によるこのお酒についての資料】
人生がそうであるように、酒とは出会いである。私にとってそんな想いにしみじみと浸れるのがこの酒だ。『レジェンド オブ キューバン ラム』。このラムは、1940~50年代にキューバで蒸留された後に樽詰めで海を渡り、スペインへ運ばれ名門一族の酒蔵において、ソレラ・システムで熟成されたものである。
そこで登場する人物がミゲル・バルデスピノ。バルデスピノ家は、創業1340年まで遡るシェリー酒の名門。家族経営によって、代々受け継いできた看板を守る彼に突然不幸が襲った。大切な息子は病床の身に、そして地元のパレードの女王に選ばれたほどの美人であった愛娘を交通事故で失ってしまう。
私がはじめて彼のボデガ(酒蔵)を訪ねたのは1990年代後半。そこは、まるで博物館であった。樹齢百年のブドウの樹や19世紀から使っている足踏み式ラベルマシーン、そして戦前の銀行の窓口を想わせる堂々たる造りの受渡し場所、目の前がタイムスリップした気分だった。さらに驚いたのは、彼が所有する古酒のコレクション。特にシェリーやブランデーの膨大な数に観るだけで酔わされた。歴史の重みを肌で感じた。
「そこに行ったら最後にラムが振る舞われるから、飲まないときっと後悔するわよ。今では絶対手に入らないキューバ産のすごい古酒だから」。ほぼ一日がかりで広大な畑やいくつかあるボデカを案内してもらって、そのまま帰ろうとした時、シェリー酒の評論家である明比淑子さんの言葉を思い出した。「ラムを飲ませてください」。ちょうどボデガの入り口に樽が2つあった。飲んだ瞬間に・・・まいった。その優雅なアロマは、コニャックのよう。我慢ができず、このラムを分けてほしいと彼に頼んだのだが・・・「これはとても珍しいもので僕の宝物、このボデガを訪れた人だけにしか飲ませないし、売り物ではない」。
それから数年後、彼はその膨大な古酒とともに会社を売り払った。二人の子供の数奇な運命が、彼から名門としての誇りも、仕事への情熱をも奪い去ったのかもしれない。
結局新しいオーナーにラムの件をお願いしたところ、門外不出のこの酒をようやく手にすることができた。このラムは、1962年の革命以前のキューバがアメリカの資本主義にどっぷりとつかり、豊かさを謳歌していた時代の空気を感じさせる。今日のような社会主義の統制経済のもとでは生まれるはずもない、贅沢で華やかな味わい。そしてミゲル氏が会社を手放さなかったら、この世に出ることもなかったであろう、貴重なコレクション。
彼のボデガは今、更地になっているという。失われてしまった時間が、すべてそこに詰まっている。まさしく “伝説のラム”である。