◆蔵元コメント
呑切作業の時期を迎え、夏場に相応しく切れ味ある若々しい山廃純米「呑切原酒」を蔵出しいたします。菊姫は「濃醇旨口」個性をさらに際立たせる、原酒ならではの芳醇さ。あじの厚み。
<山廃仕込み>
精米技術が発達したことで良質な麹米を作ることができるようになり、麹の分解能力によって米を良く溶かすことができるようになったことから、昔から行われていた櫂で米をすり潰す操作「山卸」を廃止した仕込み方法を「山卸廃止もと仕込み」と言います。その略称が山廃仕込みです。近年は省力化や合理化の観点から、多くの時間と手間を要する山廃仕込みを行う蔵元は減少しております。菊姫は、日本酒本来の味わいは伝統的な山廃仕込みからくるものと信じ、かたくなに守り続け、濃厚で力強い味わいの酒造りを行っています。
<呑切>
醸造した日本酒の貯蔵状態をチェックする作業を呑切といいます。貯蔵タンクからお酒を採取し、成分を分析して健全に貯蔵されているか調査したり、香味の変化を確認するためにテイスティングします。昔は火入れ殺菌したお酒でさえ「火落ち」と呼ばれる酒が腐る現象が頻繁に起こっていたため、気温が高くなり「火落ち」のリスクが増加する6月~7月にかけて1回目の呑切作業が行われていました。現代は冷蔵技術が発展し、火落ちはめったに発生しなくなりましたが、熟成度合いを確認する意味も含めて、慣例に従い呑切作業を行う蔵元が一般的です。
原料米 : 兵庫県三木市吉川町 特A地区産山田錦
精米歩合 : 70%
酒母 : 山廃酒母
アルコール度数 : 19%